アナボリックステロイドを使用すると極まれに、男性なのに胸がふっくらする現象「女性化乳房」が副作用として発症することがあります。
女性化乳房を予防するために使われるケア剤はノルバデックスです。
ノルバデックスは、乳がんの進行を阻止するために使用される「抗エストロゲン剤」です。
この抗エストロゲン作用のため、アナボリックステロイドサイクル中に、女性化作用(女性化乳房・水分滞留)を防ぐ目的でも使用されます。
この記事でわかること
- アナボリックステロイドを使うと女性化乳房になるのか?
- なぜノルバデックスは効果的なのか?
- ノルバデックスにはどれだけの効果があるのか?
アナボリックステロイドを使う人が気になるポイントを詳しく解説していきます。
なぜ女性化乳房が起きるのか?
男性ホルモン(テストステロン)・女性ホルモン(エストロゲン)は一度は耳にしたことがあると思います。
しかし、男性にも女性ホルモン(エストロゲン)・女性にも男性ホルモン(テストステロン)が微量ですが分泌されていることはあまり知られていません。
精巣でつくられるテストステロンの一部(約20%)が「アロマターゼ」という酵素によって、エストロゲンに変換されます。男性におけるエストロゲンの役割は、体内の脂肪を増やしたり、体内に水分を貯留させることです。
この役割は、筋トレで高重量を扱う時に関節を保護してくれる働きがあります。
アナボリックステロイドを使うことで、男性ホルモン(テストステロン)の濃度が高くなると、必然的に女性ホルモン(エストロゲン)の転換も多くなります。これが原因で、胸がふっくらする「女性化乳房」になるわけです。
アナボリックステロイドサイクル中はエストロゲンも通常時の数倍になる
通常時、男性は女性ホルモン(エストロゲン)の分泌は微量なので問題ありません。
しかし、アナボリックステロイドサイクル中は、通常時の10倍近い大量のテストステロンが体内にあふれることになります。この大量のテストステロンの一部がアロマターゼにより、エストロゲンに変換されてしまうのです。すると、通常よりもかなり多いエストロゲンが体内にあふれることになります。
この大量のエストロゲンが、体内のエストロゲン受容体と結びつき、女性化乳房や水分の滞留を引き起こすのです。
女性化乳房はレアな副作用?

と感じていると思います。
しかし、女性化乳房はめったに起こる副作用ではありません。
健康な男性61人に20週間テストステロンエナンセート(注射剤アナボリックステロイド)を投与した研究では、誰も女性化乳首を発症していません。参考文献
この研究で使用されたテストステロン・エナンセートは、テストステロンそのもののであり、最もアロマターゼの影響を受けやすく、女性化乳房を引き起こす可能性のあるステロイドです。
しかし、61人中誰一人として副作用を発症していません。
副作用があるからといって、必要以上に恐れる必要はありません。
備えあれば憂いなし!ノルバデックスの用意は必須!
女性化乳房にいったんなってしまうと、薬では治すことができず外科手術でしか治すことができません。
女性化乳房の症状は、いきなり胸がふっくらするようなことはありません。
まず、初期症状が出てきます。
女性化乳房の初期症状
- 胸にしこりが触れる
- 何もしていない状態でも乳首がチクチクする
- 手で押したりうつ伏せで圧迫されたりすると痛みが出る
- 走ったりジャンプしたりすると痛みが出る
女性化乳房の症状は「胸の膨らみ」「しこり」「痛み」が3大症状ですので、日頃からご自身でチェックしてください。
上記の症状が出た場合、女性化乳房の可能性が高いです。
こうなったときは、ノルバデックスを服用して症状を早く治す為にも、アナボリックステロイドの使用、ステロイドサイクルは一旦休止することをおすすめします。
初期症状の時に、ノルバデックスを服用すれば胸のふくらむことなく治すことができますから安心してくださいね。
ノルバデックスの作用
抗エストロゲン作用
ノルバデックス(成分名:タモキシフェン)は、体内のエストロゲン受容体に、エストロゲンよりも優先的に結びつく性質を持っています。
ノルバデックスは、エストロゲンが受容体とくっつく前に先に入り込み、エストロゲンの働きを阻害します。エストロゲン受容体と結び付けなかったエストロゲンは働くことができず、女性化作用を止めることができるのです。
いくら筋骨隆々でも、乳首が女性のようにふっくらしていては、何のために鍛えたのがわかりません。さらに、一度、胸が女性化してしまうと、外科手術でしか治すことができません。当然、手術には高額の費用がかかります。かなり恥ずかしいと思います。
術後すぐには筋トレも出来ないでしょうから、せっかく付けた筋肉も減って散々です。
ノルバデックスは、アナボリックステロイドを利用するなら、必ず手元に用意しておきたいケア剤です。
テストステロンを増やす作用
ノルバデックスは、エストロゲンの働きを阻害する働きがあります。
エストロゲンが働いていないと脳が感知すると、男性の場合はエストロゲンを増やすため、精巣にテストステロンを分泌するよう促します(テストステロンの一部がエストロゲンに転換して増えるため)。
この働きによって、ノルバデックスは体内のテストステロン分泌を促す力があるのです。
精子減少症の患者にノルバデックスを2ヶ月使用することでテストステロンが平均496.59ng/dlから835.06ng/dlへと増え、精子の量は3ヶ月で平均32.08から41.94(単位略)へと増加しました。参考文献
このように、ノルバデックスはテストステロンを増やす働きも持っています。
ノルバデックスの使用方法
ノルバデックスは、「女性化作用がおきてしまった時のため」に用意しておくべきケア剤ですが、サイクル中、常に使うことは推奨しません。
というのも、エストロゲンの作用(体内に水分を滞留する)には、筋トレにプラスの効果があるからです。筋肉は水分が多い方が筋力を発揮できるので、できるだけエストロゲンはカットしない方が良いです。
そのため、女性化乳房の症状が出ていないか、日頃からご自身でチェックしてください。
ケア剤として用意しておく
使用中に使うのはではなく、女性化乳房を発症した時のケア剤として用意しておきましょう。
ただし、複数の薬剤をスタックするような強力なサイクルを組む場合は、女性化作用を防ぐため、サイクルの開始時から投与する必要があります。
サイクル中に女性化作用が発症した場合
ステロイドサイクルを中止し、1日20mgを4週間摂取
ステロイドをスタックしてサイクルを組む場合
オンサイクル中、1日20mgを摂取
ジェネリックもあります
ノルバデックスは保険のためのケア剤ですから、「あまりコストはかけたくない」という人もいるでしょう。そんな方にはジェネリックがオススメです。もちろん、成分は同じですから、効果も同じです。
まとめ
個人的に、アナボリックステロイドの副作用で最も症状を出したくない副作用が女性化乳房です。
せっかく厚い胸板を作ってみんなに自慢できるように辛い筋トレをがんばっているのに、胸がふっくらしたら元も子もありません。
もし、初期症状が出ても素早く改善できるように必ずノルバデックスの用意はしておくことをおすすめします。
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